Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

スウェーデン人の価値観を学ぶ

突然ですが、スウェーデンと言えば、皆さんどのような印象をお持ちでしょうか?

 

自然が豊かオシャレ社会保障が手厚い国といったイメージでしょうか?

はたまた労働生産性幸福度女性の社会参画の高さ、またリカレント教育発祥の地ということで注目している方もいらっしゃるかもしれません。

 

実は、私のママ友はスウェーデンの留学経験があり、旦那様はスウェーデン人。そんなこともあって、彼女にスウェーデン人の働き方や教育について根ほり葉ほり聞いていたところ、せっかくなのでスウェーデン人の価値観を学ぶトークセッションを開けたら面白いのではという話になり、5月に開催することになりました!! パチパチパチ

 

この1か月間、彼女との打合せを通じて、スウェーデン人の価値観を学ばせてもらっています。毎回興味深い話を聞かせてもらえるのですが、そのなかから3選、今日は書かせてもらおうと思います。少し長くなりますがお付き合いください。

 

■幸せの源

ご存知のとおり、スウェーデンの冬は寒さが厳しく、夜が長いです。だからこそ、スウェーデン人は自然に逆らうのではなく、自分が置かれた状況でできることをするといった考えを持つようになったとのこと。

つまり、すべてを自分のコントロール下におき、人生をマネジメントしようとするのではなく、自分の置かれた状況を受け入れ、そのなかでできることをし、身の丈にあった生き方をしているとのこと。

誰かと比べ、優越感によって心を満たすのではなく、それぞれの価値観に素直に生きることスウェーデン人にとっての幸せの源で、心の余裕と家族、友人との時間を大切にしているとのことなのです(彼女曰く「そうしないとスウェーデンの厳しい冬を乗り切れない」!!)。

 

日本の社会は、同質性が求められるがゆえに、一定の基準、価値観に縛られる傾向にあるように思います。またステータスを得て、マウントをとって、自らの心を優越感によって満たすといった人も一定数いるようにも思います。そんな日本の社会で生きにくさを感じている人もいるのではないでしょうか。

 

私はそんなスウェーデン人の価値観を聞いて、「自分のものさしを持つ大切さ」を改めて感じました。

 

スウェーデンの「お茶文化」

スウェーデン労働生産性が高い国としても知られていますが、友人曰く、「優秀な人で長時間働いている人はけっこういるよ」とのこと。けれども、日本のような無駄な残業や会議は少ないし、メリハリがあると言っていました(例えば、夏に連続して3週間の休みをとらなければならないんですって!)。

 

日本の会社で無駄なものとして挙げられるものの代表格が、職場の飲み会。お子さんが小さいご家庭なんかは、飲み会に参加すること自体、ハードルが高かったりするのではないでしょうか。「愚痴やウワサ話が大半で参加するだけ無駄」「職場時間外も上司や先輩に気を遣いたくない」という方もいらっしゃるのでは、と思います。とはいえ、飲み会がコミュニケーションを深める場であることも確か。

 

プライベートと仕事が明確なスウェーデン人にとって、コミュニケーションを深める機会は、「お茶」らしいのです。職場でも必ず皆がお茶とおやつを楽しむ時間があり、この「お茶」の時間を使って、業務上のコミュニケーションも活性化させているとのことなんです。いやぁ、おもしろい。飲み会だけがコミュニケーションをとる機会ではないんですね。会議などのフォーマルな場ではなく、インフォーマルな場で闊達な意見交換をすることがチームワークを活性化したり、個々人の暗黙知をチームで共有化にすることによい影響を与えるといった本を読んだことがありますが、きっとこの「お茶」の場がそのような機会になっているのではないかと考えます。

 

この労働生産性については、北欧企業の組織文化がわかる本が面白かったので、後日、また記事をアップしたいと思います。

 

スウェーデンにはキャバクラが無い

もう一点、おもしろいな、と思ったことは、スウェーデンにも性産業はあるようなのですが(ただし違法なので闇で)、「キャバクラはない」とのこと。以前日本で働いていた友人のご主人曰く、「キャバクラに行くくらいなら妻と話す方がよっぽどいい。」とおっしゃっていたところが実に興味深かったのです。キャバクラやスナックに行くくらいなら、妻や友人、同僚と話すというのがSwedish的な価値観なのだそう。また、キャバクラやスナックに通うことは感情的な浮気と見なされて、妻以外の女性と肉体関係を結ぶこと以上に離婚原因に繋がるとのこと。それだけ精神面でのパートナーとの繋がりを重視しているんだなぁと感心。

 

日本には「夫元気で留守がいい」という言葉がありますが、確かに結婚生活が長くなったり、子供が生まれたりすると夫婦関係は変わっていきます。お互い意識しないと夫婦二人の時間はつくれないし、いつの間にか夫婦の会話が業務連絡だけになってしまっていることもあるかと思うんです。けれど、友人曰くスウェーデン人は夫婦だけの時間も大切にしているとのこと。彼女の友人も、たとえ子育て中であっても、子供を信頼できる人に預けて、夫婦で食事に出かけたり、彼女の義理のお母さんも「夫婦二人で食事にでも行っておいで」とお子さんの面倒を見てくれることもあったと言います。

 

スウェーデンの人たちが豊かな人生を送るための要素の一つがお互いのパートナーであり、そのパートナーとの時間も大切にする様子がとても印象的でした。

 

以上、この1か月間、スウェーデン人の価値観を学んで印象的だったこと3選。

 

日本も変わってきたとはいえ、「女性が家事、育児をすべきもの」といった価値観は依然強く、たとえ家事・育児に関するタスクを夫婦間で分担している家庭であっても、何とか必死こいて自助努力で賄っているといった印象を受けています。しかし、スウェーデンの政策なんかを勉強していると、社会保障が手厚いスウェーデンは、子育て世帯へのフォローも社会でカバーしている印象が非常に強いです。

 

諸外国より遅れをとる日本の環境を私たちはただ嘆くだけかと言われると、そうでもないように感じていて、個人の考え方や、その国の価値観を学ぶことで何か切り開けることがあるのではないかと思うのです。

 

そして、そのヒントを得る機会が是非今度のトークセッションであればと思い、鋭意準備中です。

また是非こちらのブログでも裏話をお届けできたらと思います。