Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

【イベント報告】スウェーデンのワーキングマザーから学ぶ「働く」と「暮らし」のトークセッション

ウクライナ支援を目的にしたチャリティイベント

スウェーデンのワーキングマザーから学ぶ「働く」と「暮らし」のトークセッション』を5/14に友人と開催しました。

 

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■企画の背景

友人は、旦那様がスウェーデン人で自身もスウェーデン留学経験があるママ友。子供たちとのplaydateでスウェーデンの働き方や教育の話題で盛り上がり、彼女の「スウェーデンの友人を招いたワークショップをしたら興味ある?」という一言からこの企画が始まりました。

こちらの記事にも書いたとおり、出産後、価値観の棚卸やキャリア、子育てなどのテーマでワークショップの企画・運営を続けていた私。

専業主婦生活の中で社会との繋がりをつくってみる - Last Vacation~London life with kids~ (hatenablog.com)

二つ返事で「やりたい!」と答え、企画が進んで行きました。

 

お互いの日本での会社員経験等から、度々「なんで日本の女性は働き続けることがこんなにしんどいんだろう」といった話題に。

具体的に言うと

・女性管理職を目指せといったプレッシャー

・子供ができた場合、家庭を優先する働き方は周囲に対して後ろめたい

・キャリアのチャンスを打診されたとしても、家事や子育ての多くを担っているので躊躇する

・収入、職位など他人軸の評価でマウントをとってきたり、嫉妬されることがある

など

 

ちなみにスウェーデンは、国連「世界幸福度ランキング」でも上位の国。2022年度版では7位でした(1位は同じ北欧のフィンランド)。

Happiness, benevolence, and trust during COVID-19 and beyond | The World Happiness Report

その幸福度の高さの背景として、スウェーデンでは「ヤンテの掟」と呼ばれる“自分が特別な存在であると思ってはならない”といった価値観があること。そして、それは地位や富を得て、NO1になることがすべてといった考えとは異なるため、自分のものさしで幸せを図れる人が多いということを彼女から教えてもらいました。

また、スウェーデンは、The European Institute for Gender Equality (EIGE)が発表している男女共同参画指数ではEU内で1位。女性の社会参画が非常に進んでいる国であると言えます。

https://eige.europa.eu/gender-equality-index/2021/country/SE

子育て中の女性に対してもプレッシャーではなく、それぞれの価値観を尊重し、それを支える制度や理解があると話していました。

 

■内容

なるべく仕事や家族との向き合い方での多様性を示したいという趣旨で、彼女がゲストとして声をかけてくれたのは2名。

 

国連等、様々な国際会議に登壇経験があり、県の環境部長としてサスティナビリティに取組んでこられた元ワーキングマザーのクリスティーナさん。彼女は2児の母で、既に定年退職をされています。

 

そしてもう一名は、4人の子育てをしながら、フルタイムで働くマリアさん。彼女は、家庭を最優先して、フレキシブルな制度を活用し、周囲の協力、理解を得ながら働き続けています。

 

このお二人から

・大切にしている価値観

スウェーデンの政策、制度

・ライフワークバランス実現のヒント

 

などをお伺いしました。

 

この中で子育ての責任を男女ともに等しく果たすことができ、子供ができても仕事を諦めず続けることができる政策の一部として

・男性の取得を促すスウェーデンの育休制度

・子供が病気のときに使える看護休暇

について伺いました。

これらの政策、制度を活用して、子育てに関わる男性も多いため、現役ワーキングマザーのマリアさんの職場には、同じ親として理解をしてくれる上司や同僚が多いのだそう。また、参加者からの「子供を持たない同僚からの理解はどうか?」といった質問に対しては、学校教育でも男女平等を推し進めているため、たとえ子供がいない同僚も理解はしてくれるし、関係性がギスギスしたことはないといった回答でした。

 

また、質疑応答では「責任の重圧を考えると、管理職になることを躊躇ってしまう」といった参加者からの質問がありました。これに対しては、管理職の責任を2人で分けられる"50% manager"といった制度もあると答えてくれました。

 

非常にうらやましい社会ではありますが、スウェーデンでは1930年代から人口問題について議論されており、この時代から取り組まれていた政策が、現在に繋がっているのだそうです。

またスウェーデンの恵まれた環境も一人一人が声をあげて闘ってきた結果であり、声を上げ続けなければ、いつ逆戻りするかわからないと打合せの時からクリスティーナさんがおっしゃっていた言葉が印象的でした。

 

これらは、トークセッションの内容のほんの一部です。

その他にも、自分にとって大切なものを守りながら生きていくために勇気づけられるメッセージをお二人から沢山いただきました。

 

■参加者の声

・将来の子どもたちがどんな選択肢を選び取っても、今よりも幸せで生きる喜びを感じられる社会にしていたい。

・大切にしたいことや、守りたい価値観のためにどう生活するか、私も見直してみたいと思います。

マリアさんの「男の子女の子関係なく家事に巻き込む、それがいつか社会をも変えていく」という言葉、クリスティーナさんの「Stand your ground」という言葉が胸に刺さりました!そして一人ひとりが自分の信念に従って生き、発信し続けることで社会は変えられる、という思いを強くしました。

など。

私たちも胸が熱くなるような感想をここには載せきれないほど沢山頂戴しました。

 

■チャリティの成果

今回、チャリティイベントとして、収益の全額をウクライナ大使館へ寄付するといった趣旨で開催いたしました。この趣旨に賛同いただいた方も大変多く、50000円の寄付金を集めることができました。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!