Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

イギリスにて子供との「上質な暮らし」を考える

友人が「上質な暮らし」をテーマにブログを書いていると聞き、「子供がいたら上質な暮らしって遠ざかるよなぁ」と思いながらふと「上質」が意味するところを考えてみた。

 

子供がいたら物は壊れる、汚される。おでかけしたら騒ぐし、暴れるし上質なものを楽しむ余裕はないと思いがち。確かに新生児には「肌触りがよい服を」「口に入れてもよいオモチャを」とこだわるものの、年齢が上がるにつれ何かにつけて品質面を妥協するというケースは多かれ少なかれある気がする。

 

例えば我が家も波佐見のマルヒロで買った子供用の丈夫な皿はあるけれど、それでも割られないかと不安なので2歳児には百均皿。私の部屋着は家では家事育児で汚れることも多いのでその都度ガッカリしないようにいつ処分してもよいような適当な部屋着。

 

しかし「上質=高価」「上質=大人が楽しむもの」という刷り込みがあるがゆえにそう思いがちだけど、子供がいると上質な暮らしは果たして本当にできないのだろうか?

 

じゃあ質の高いものってなんなんだろう。

例えば先日見た草間彌生さんのアートにゴッホの絵画。生き様が現れていた。才能がある人が生涯をかけて試行錯誤を重ねて作った作品は凄みがある。人を感動させる力がある。

 

そんな草間さんの絵も、絵画に詳しい母曰く今では何千万する作品が、10年ほど前には百貨店で画廊で10万程度で売られていたそうだ。

 

質と価格が合わないものは生活を見渡せばそこら中によくある。

 

インスタで良さそうなレストランに行ったらハリボテ感満載で、よいのは見た目や雰囲気だけで、味もサービスもイマイチとかザラにある。そういうのに限って高い。

 

あと、最近、趣味の延長で物販やったり、何かのサービスを始めてる人もいて、素晴らしい行動力だと感心する一方で、なかには、申し訳ないけど「この価格はとったらあかんやろ…」という値段で提供されてるものもある。もちろん中には試行錯誤を繰り返して真摯に取り組んでいる人もいる。そういった人は応援したくなるけども、中には、何年も修行して、日々鍛錬を重ねてきたプロ並の価格で、単なる趣味or部活程度の気概でその程度のものを販売している人もいる。何度かその類いの物を買ったけど「SNSで紹介して拡散してください!」って、「おい、どの口が言うてるんや!」と言いたくなることもある……

 

質の良さは価格や口コミだけでは正確に測れないと言ったところか。

 

子供に本物に触れて感性を磨いてほしいと願う人は多いのだろう。私もそう願っている。きっと人生が豊かになるし、本物を知っていると自分がサプライヤーになったとき、いいものを生み出す力に繋がると思う。ただ、それなら、親にはその目利き力が問われるのだと思う。

 

SNSでいいねされているもの

メディアで紹介されているもの

値段が高いものが全て質が高いものではない。

そんなわかりやすいものではないと思う。

 

まずは自分で沢山試して感動できるかどうかを確かめるプロセスは必要なんだろうし、その過程に当たり外れがあるのはつきもの。よいもの、イマイチなものを比べながら、自分なりの感性を磨けばよいと思う。

そして知ることが可能であれば、サプライヤーがどんな思いで向き合い鍛錬を重ねているのかも知ることができたらベスト。

よいものは高いマインドとスキルがあってつくられるものだと思うので、そこに納得感が持てないと、質が良いとはなかなか判断しがたいように思える。

 

暮しの手帖』に商品テストのコーナーがあって、高度経済成長期、巷に出た新商品を何十回もテストして良いものかどうかを検証していたと以前本で読んだことがある。製品、サービスの品質を伝える側もそれくらい真摯な向き合い方をしてほしいよな、とも思う。

 

幸いなことに、イギリスは美術館も無料、キッズフレンドリーな本格的な音楽コンサートも多数。歴史を重ねた街並みなんかも沢山残っている。良かったおでかけ先の詳細はインスタにて紹介しているものの(@uko_uk)、最近は子供のイヤイヤ期でなかなかおでかけそのものが億劫に…だけど改めて自分の目利き力を磨くためにも外の刺激を受けようと思う。

 

子供と一緒に上質な暮らしはつまるところできると思う。それは必ずしも全てが高価ではないし、大人だけのものではないからだ。