Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

【イベント報告】スウェーデンのワーキングマザーから学ぶ「働く」と「暮らし」のトークセッション

ウクライナ支援を目的にしたチャリティイベント

スウェーデンのワーキングマザーから学ぶ「働く」と「暮らし」のトークセッション』を5/14に友人と開催しました。

 

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■企画の背景

友人は、旦那様がスウェーデン人で自身もスウェーデン留学経験があるママ友。子供たちとのplaydateでスウェーデンの働き方や教育の話題で盛り上がり、彼女の「スウェーデンの友人を招いたワークショップをしたら興味ある?」という一言からこの企画が始まりました。

こちらの記事にも書いたとおり、出産後、価値観の棚卸やキャリア、子育てなどのテーマでワークショップの企画・運営を続けていた私。

専業主婦生活の中で社会との繋がりをつくってみる - Last Vacation~London life with kids~ (hatenablog.com)

二つ返事で「やりたい!」と答え、企画が進んで行きました。

 

お互いの日本での会社員経験等から、度々「なんで日本の女性は働き続けることがこんなにしんどいんだろう」といった話題に。

具体的に言うと

・女性管理職を目指せといったプレッシャー

・子供ができた場合、家庭を優先する働き方は周囲に対して後ろめたい

・キャリアのチャンスを打診されたとしても、家事や子育ての多くを担っているので躊躇する

・収入、職位など他人軸の評価でマウントをとってきたり、嫉妬されることがある

など

 

ちなみにスウェーデンは、国連「世界幸福度ランキング」でも上位の国。2022年度版では7位でした(1位は同じ北欧のフィンランド)。

Happiness, benevolence, and trust during COVID-19 and beyond | The World Happiness Report

その幸福度の高さの背景として、スウェーデンでは「ヤンテの掟」と呼ばれる“自分が特別な存在であると思ってはならない”といった価値観があること。そして、それは地位や富を得て、NO1になることがすべてといった考えとは異なるため、自分のものさしで幸せを図れる人が多いということを彼女から教えてもらいました。

また、スウェーデンは、The European Institute for Gender Equality (EIGE)が発表している男女共同参画指数ではEU内で1位。女性の社会参画が非常に進んでいる国であると言えます。

https://eige.europa.eu/gender-equality-index/2021/country/SE

子育て中の女性に対してもプレッシャーではなく、それぞれの価値観を尊重し、それを支える制度や理解があると話していました。

 

■内容

なるべく仕事や家族との向き合い方での多様性を示したいという趣旨で、彼女がゲストとして声をかけてくれたのは2名。

 

国連等、様々な国際会議に登壇経験があり、県の環境部長としてサスティナビリティに取組んでこられた元ワーキングマザーのクリスティーナさん。彼女は2児の母で、既に定年退職をされています。

 

そしてもう一名は、4人の子育てをしながら、フルタイムで働くマリアさん。彼女は、家庭を最優先して、フレキシブルな制度を活用し、周囲の協力、理解を得ながら働き続けています。

 

このお二人から

・大切にしている価値観

スウェーデンの政策、制度

・ライフワークバランス実現のヒント

 

などをお伺いしました。

 

この中で子育ての責任を男女ともに等しく果たすことができ、子供ができても仕事を諦めず続けることができる政策の一部として

・男性の取得を促すスウェーデンの育休制度

・子供が病気のときに使える看護休暇

について伺いました。

これらの政策、制度を活用して、子育てに関わる男性も多いため、現役ワーキングマザーのマリアさんの職場には、同じ親として理解をしてくれる上司や同僚が多いのだそう。また、参加者からの「子供を持たない同僚からの理解はどうか?」といった質問に対しては、学校教育でも男女平等を推し進めているため、たとえ子供がいない同僚も理解はしてくれるし、関係性がギスギスしたことはないといった回答でした。

 

また、質疑応答では「責任の重圧を考えると、管理職になることを躊躇ってしまう」といった参加者からの質問がありました。これに対しては、管理職の責任を2人で分けられる"50% manager"といった制度もあると答えてくれました。

 

非常にうらやましい社会ではありますが、スウェーデンでは1930年代から人口問題について議論されており、この時代から取り組まれていた政策が、現在に繋がっているのだそうです。

またスウェーデンの恵まれた環境も一人一人が声をあげて闘ってきた結果であり、声を上げ続けなければ、いつ逆戻りするかわからないと打合せの時からクリスティーナさんがおっしゃっていた言葉が印象的でした。

 

これらは、トークセッションの内容のほんの一部です。

その他にも、自分にとって大切なものを守りながら生きていくために勇気づけられるメッセージをお二人から沢山いただきました。

 

■参加者の声

・将来の子どもたちがどんな選択肢を選び取っても、今よりも幸せで生きる喜びを感じられる社会にしていたい。

・大切にしたいことや、守りたい価値観のためにどう生活するか、私も見直してみたいと思います。

マリアさんの「男の子女の子関係なく家事に巻き込む、それがいつか社会をも変えていく」という言葉、クリスティーナさんの「Stand your ground」という言葉が胸に刺さりました!そして一人ひとりが自分の信念に従って生き、発信し続けることで社会は変えられる、という思いを強くしました。

など。

私たちも胸が熱くなるような感想をここには載せきれないほど沢山頂戴しました。

 

■チャリティの成果

今回、チャリティイベントとして、収益の全額をウクライナ大使館へ寄付するといった趣旨で開催いたしました。この趣旨に賛同いただいた方も大変多く、50000円の寄付金を集めることができました。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!

専業主婦生活の中で社会との繋がりをつくってみる

子供を出産して以来、この7年間、子育てを中心にした生活を送りながら、非営利の活動を継続しています。この活動を行うことになった背景を今日は書いてみたいと思います。

 

活動を始めるようになったきっかけは以下のとおり。

7年前、出産と、夫の転勤の帯同による休職が重なったことで、生活環境が大きく変わりました。

自分の名前ではなく「○○くんママ」としか呼んでもらえないことや、児童館に行っても他のお母さんとの会話は子育て情報のみで大人の会話ができないことにとってもモヤモヤし、自分と社会との接点が途切れてしまった感覚を味わいました。

 

あわせて、休職中、仕事から距離置くことで、早朝から深夜までガムシャラに働いていた会社員時代の働き方に疑問を持つようにもなりました。

 

そんなときに一念発起して、現役ワーキングマザーとの対談会を開催。また、出産というライフイベントが、価値観を大きく変える機会になることを実感して、キャリアカウンセラーの先輩の協力を得ながら、自分の価値観の棚卸を目的にしたワークショップ、そしてそれと連動させる形で、自分にとっての大切な事柄に時間を注ぐための時間術講座を開催してきました。

 

この7年間、帯同先の東京、広島、京都で仲間を募りながらこのような活動を実施してきました。広島では非営利の団体も作って自治体と連携しながら取り組みをすすめてきました。

 

営利目的ではないので、この活動によって私のお財布が潤うわけではありません。

 

ですが、活動を通じて、生き方や社会の在り方を語れる友人ができたこと、そしてイベントの参加者の感想等からやりがいを得られること、また、これまで取組みを掲載いただいたメディアを通して、自分の活動を知ってくれた人が応援してくれたことなどが、自分が社会と繋がっている実感となり、この活動が今の生活においてなくてはならない要素になっています。

 

転勤のたびにすべてにおいて基盤をゼロからつくることになるので、もちろん友人関係もゼロからのスタート。けれども関係性を築く過程で「もしかしたら、この人とは深い話ができるかもしれない!」と思えば、踏み込んだ話題をふるようにしています。(それで失敗することもありますが、転勤族だからこそ、一生付きまとう話じゃないと思って特に気にしない 笑)

 

上述のようなテーマで仲間と一緒に企画を練るので、必然的にお互いの価値観を意見交換し合う機会が生まれ、関係性がとても深まります。ですので、たとえ住む場所が変わってもよい関係が続くことが多いです。

 

また、仕事の進め方、向き合う姿勢を友人から学ぶこともでき、友人からのフィードバックをもらうなかで、会社員時代は自分の強みなんて全く実感できなかったのですが、意外に会社員時代の経験が活きてるなと感じられる場に遭遇できます。

 

もしかしたら、こういう機会は、自分で立ち上げなくとも例えばPTAなどの運営、副業、既存のボランティア活動への参加でも得られる経験かもしれません。

 

ということで、渡英前も、「ロンドンでも活動を続けたい!」と意気込んでいたなかで、運良く巡りあえた息子の学校のママ友。彼女の旦那さまがスウェーデン人、そして自身もスウェーデンの留学経験があるというスウェーデンにゆかりがある友人です。

次回のブログでは、このママ友と開いたトークイベントについてご紹介したいと思います!

『北欧流小さくて最強の組織づくり』から生産性向上を探る

5月にスウェーデン人女性をゲストに迎え、スウェーデンの「働く」や「暮らし」に関する価値観を学ぶトークセッションを企画しています。

 

スウェーデンの生産性を組織のマネジメントの観点から探れないかと

こちらの本を読みました。

■生産性が高い北欧諸国

北欧諸国の「働き方」といえば、生産性の高さが話題にのぼります。また北欧諸国は幸福度の高さも上位に占めています。一方、日本はと言うと、なかなか高まらない生産性。そして豊かな国でありながらも幸福を実感しにくい国だと言われて久しいです。

 

私が働いていた会社は、現場への権限委譲を推し進め、現場の声を聞く努力もしていましたが、労働集約産業という側面もあり、どちらかと言えばトップダウン型。上司や関係役員の意向を組みながら、とにかく作業に追われる日々。施策を進めるうえでの根回しに、また仕事がらみの飲み会に…ととにかく自分の業務を俯瞰する余裕もなく、毎日早朝から深夜まで働いていました。もちろん自分の能力不足は多分にあったと前置きはしたうえで、けれども組織的な課題もあったのではと振り返ります。

 

■北欧型組織の特徴

北欧型組織の特徴、それは官僚的な風潮を嫌い、現場への権限委譲の促進。

この背景は、北欧のバイキング文化が現代の企業の組織運営にも受け継がれているからだと言います。その特徴は以下のとおり(本書から一部抜粋)。

 

◎フラットな組織

・階層をなるべく少なくしたフラットな組織

・地位や肩書を日本のように重視しない

・組織内の権力格差は極端に小さい。上司だからといっていばることなく、チームメンバーを尊重する。

・リーダーは肩書で引っ張るのではなく率先垂範で背中を見せる

 

◎権限委譲

・部下、現場への権限委譲が当たり前。権限委譲の際、日本人は細かい規程をつくりそれに基づいた判断を部下に求めるが、そのようなものはない。

・日本型の組織は現場が自らが考え、判断することを好まないが、北欧型は現場が自ら考え、自らリスクをとる。

・いちいち手続きを経て、オフィシャルに上司の承認を得て動くのではなく、その場で話し合って即断即決できるよう組織の風通しをよくする。

 

◎情報の透明性

・情報の透明性を重視(権力格差が小さい組織ではメンバー全員のコンセンサスを重視ため情報を広く公開)

・チームが達成すべき目標は、マネージャーが情報を開示し、グループ単位で話あって決定される。そのため部下にとってより納得性の高いものになる。

・目標はトップダウンでおりてくるものではなく、事前にチーム内で討議される。

 

◎コミュニケーション

・リーダーが現場でスタッフと和気あいあいとコミュニケーションをとりながら、リーダーとしてシンボリックに行動することでチームを引っ張っていくスタイル

・上の方の人も気軽に話を聞いてくれる

・相互信頼。辞令一本で人を動かすことはまずしない。そのかわり丁寧に説明し、エンゲージメントをとりつける。

・チームビルディングに尽力し、時間を費やす。

・前例や形式にとらわれず、上司と部下がなんでもすぐに相談できるようにする

 

◎カルチャー、企業文化

・企業組織としての行動規範が明確に定められている(Valueのようなもの)

・会社は雇用の際、候補者が会社のカルチャー、運営に適合するかを見極める

 

また、個別具体的な話でいくと、北欧型企業は、時間外の飲み会等は基本なし。接待文化もなし。そのかわり「お茶」の時間を大切にしているとのこと。

会社員時代「しんどいなぁ~」と思う飲み会も正直ありましたが、飲み会に参加することでカウンターパートナーと関係を深めることができたり、上司や先輩から貴重な経験談を伺えたりといった機会が沢山ありました。仕事とプライベートのオンオフができている北欧の人たちは「お茶」が日本の「飲み会」の代わりになっているそうです。スウェーデンの人たちは「フィーカ」といってお茶の時間を大切にすると聞いてはいましたが、会社においてもそうなのですね。

 

■北欧型組織の根底に流れる価値観

前述のとおり、北欧企業の組織文化はバイキング文化が影響していると書きましたが、本書によるとバイキングは権力格差が極端に小さく、フラットな組織だったようです。

組織のリーダーは「偉い人」ではなく「チームをまとめる調整役」。メンバーの意見を聞いてコンセンサスを得ることに腐心していたようです。

またバイキングは個人主義者の集まりであったにもかかわらず、抜群のチームワークで成果を上げ、またその成果もできるだけ平等に分配されていたそうです。

 

ちなみにこの「平等」の考え方は、のちにスウェーデンにゆかりのある友人から聞くと、北欧の田園共同体においても「平等主義」の考え方が根付いており、富によって農場主と労働者を区別することはなかったのだそうです。階級差別はほぼ皆無で「腕のいい羊飼いかどうか」で評価されていたと言います。(''The shepher's life'' ジェイムズリーバングス)

また北欧に古くから根付いている価値観に「自分が特別な存在であると思ってはならない」という考えがあり、自分が特別な存在である事(お金持ちであること、何かを成し遂げたことなど)を人前で言ったり見せたりする事に居心地の悪さや罪悪感を持つ人が多いのだそうです。

 

つまり、北欧は平等主義の価値観が古くから根付いた地域であるため、官僚主義的な組織形態や肩書を嫌い、フラットな組織を好むということが納得できました。

 

また、経営学の本を読んでいると、例えばホンダのワイガヤのようにボトム層も含めた闊達な話し合いの場が、付加価値を生み、しいてはイノベーションをも生み出すといった事例をよく目にします。そういった点で、北欧のフラットで、コミュニケーションや対話を重視したマネジメントは、これらを生み出す源泉になっているのではと感じました。

 

組織の特徴を学ぶには、その根底に流れる文化や価値観を知ることも重要です。

儒教の影響を受ける日本で、どれだけ北欧の平等主義に根付いたマネジメントを参考にできるかはわかりませんが、「社員が指示待ち人間」「社内のコミュニケーションが不十分」などの問題を抱える組織に関しては、こちらの本は参考になるのではと思います。

イタリア旅行記。ハプニングこそ旅の醍醐味編。

春休み、イタリアに旅行してきました。

どこの街で何をしたかはInstagramにサクッと書いておりますが、ブログにはそこに書ききれなかった出来事を書こうと思います。

 

アマルフィで交通手段がらみで色々プチハプニングに見舞われました。そのハプニングによって得た教訓もあわせて書き残そうと思います。

 

ハプニング① 出すべきところでケチらない
アマルフィ海岸の町の移動は、私が知る限りフェリー、バス、タクシーがありますが、フェリーとバスはそれほど本数は多くありません。

費用はバス<フェリー<タクシーの順ですが、バスだと時間がかかるので、フェリー移動で計画を立てていました。

 

アマルフィ海岸の玄関口のサレルノに到着後、目にしたのは高波でまさかのフェリー全便欠航という事実!しかもちょうどバス停を去ろうとするバスは立ってるお客さんまで出ていて、しかもギュウギュウ!おまけに次のバスは1時間半後。

 

色々迷い、出費は嵩みましたが、結局、時間を買うべくタクシーでサレルノアマルフィを移動しました。

 

フェリーだと家族で25ユーロのところ、90ユーロかかりましたが、結果的に先に出たバスを抜かし、時間を買えたことに。観光に十分な時間をさけました。1時間半後のバスだと、1つの町しか訪問できなかったところ、行きたかった2つの町を計画通り周遊できたことも大きな成果。一生に一度しか来れないかもしれない場所で、「出すべきところでケチらない」て大切。

 

 

ハプニング② 旅先で感じた温かさ
とはいえ、フェリーやバスに比べて値がはるタクシー移動。
スケジュールに余裕ができたので、タクシー利用は1回のみであとはバス移動でした。ただ激混み。ポジターノ〜ソレント間も座席はもちろん満席で立つスペースもなく、積み残されました。タクシーもつかまらず、結局バス停で1時間待ち。次に来たバスも2席しか座席が空いていなくて、先頭ではなかった私たちは「1時間の移動距離を子供2人と立つのか…」と覚悟したところ、なんとバス会社の方が、我々より前に並んでいた人たちに「ベビーがいるからこの家族を優先して!」と言ってくれたのです。私たち以上に長い時間、並んでいたのに「もちろん!」と気持ちよく譲ってくれ、おかげでバスで1時間の道のりを夕方眠くて騒いでいた娘を寝かしつけながら座って乗車することができました。なんて子供に優しいんだと感動!

子連れだとハードかな、と思う旅先も、子連れだからふれられる人の温かさもある。

とはいえこれもバスに座れたからで、疲れて不機嫌な6歳児と眠くて大泣きの2歳児と、1時間、激混みのバスを立って移動となれば地獄ですが、それも覚悟の上、「行きたいところに行く」というのはやっぱりいい経験になるな、と思いました。

 

ハプニング③ いろんな表情を見ることが旅の面白さに繋がる
アマルフィ海岸の鉄道の玄関口は、西のソレントと東のサレルノという町。ナポリから鉄道でアクセスできます。ソレント〜ナポリを結ぶヴェスビオ周遊鉄道は「駅も車両も落書きが多く、汚くて、少し怖い」という内容のネット記事を見ていたので、トレニタリアで行けるサレルノ経由で往復しようと思っていました。けれど、結局、フェリーの欠航でサレルノ〜ソレントに抜けるルートに変更。

ソレントからヴェスビオ周遊鉄道に乗って帰ったですが、確かに車体も駅も落書きが多かったです。乗っている人も、本来つけないといけないFFP2マスクを外して、騒がしく喋っているし、車窓の風景も、今までの訪れた観光都市、ローマ、フィレンツェ、ミラノ等々の美しいイタリアの景色とは違って、どこか少し、殺風景。

けれど、特に脅されたり、スリにあったりといったことはありませんでした(注意深くしていたという点はありましたが…)。

日本ほど安全な国もそうそうないので、旅先では様々なリスク回避できることはするに越したことはないとは思うのですが、観光地の整備された景色を見て、観光客向けの鉄板店でおいしいお店を食べるだけだと、その国のことってほんの一部しかわからないんだと思います。ヴェスビオ周遊鉄道の雑多な雰囲気から、観光客向けのイタリアの顔とは異なる一つの表情を見ることができ、それがまた今回の旅行での新たな発見に繋がり、イタリアの経済もちょっと調べてみようかな、という気にもなりました。

 

夕日が海に沈む美しい風景も車窓から見れました。すべてのハプニングがこの美しい夕日を見るための布石だったのかと思う(思い込む…笑)ことですべて帳消し。

 

以上3点。アマルフィの風景の美しさもさることながら、ハプニングこそ旅の醍醐味だと感じた一日でもありました。やっぱり旅行っておもしろい。

 

スウェーデン人の価値観を学ぶ

突然ですが、スウェーデンと言えば、皆さんどのような印象をお持ちでしょうか?

 

自然が豊かオシャレ社会保障が手厚い国といったイメージでしょうか?

はたまた労働生産性幸福度女性の社会参画の高さ、またリカレント教育発祥の地ということで注目している方もいらっしゃるかもしれません。

 

実は、私のママ友はスウェーデンの留学経験があり、旦那様はスウェーデン人。そんなこともあって、彼女にスウェーデン人の働き方や教育について根ほり葉ほり聞いていたところ、せっかくなのでスウェーデン人の価値観を学ぶトークセッションを開けたら面白いのではという話になり、5月に開催することになりました!! パチパチパチ

 

この1か月間、彼女との打合せを通じて、スウェーデン人の価値観を学ばせてもらっています。毎回興味深い話を聞かせてもらえるのですが、そのなかから3選、今日は書かせてもらおうと思います。少し長くなりますがお付き合いください。

 

■幸せの源

ご存知のとおり、スウェーデンの冬は寒さが厳しく、夜が長いです。だからこそ、スウェーデン人は自然に逆らうのではなく、自分が置かれた状況でできることをするといった考えを持つようになったとのこと。

つまり、すべてを自分のコントロール下におき、人生をマネジメントしようとするのではなく、自分の置かれた状況を受け入れ、そのなかでできることをし、身の丈にあった生き方をしているとのこと。

誰かと比べ、優越感によって心を満たすのではなく、それぞれの価値観に素直に生きることスウェーデン人にとっての幸せの源で、心の余裕と家族、友人との時間を大切にしているとのことなのです(彼女曰く「そうしないとスウェーデンの厳しい冬を乗り切れない」!!)。

 

日本の社会は、同質性が求められるがゆえに、一定の基準、価値観に縛られる傾向にあるように思います。またステータスを得て、マウントをとって、自らの心を優越感によって満たすといった人も一定数いるようにも思います。そんな日本の社会で生きにくさを感じている人もいるのではないでしょうか。

 

私はそんなスウェーデン人の価値観を聞いて、「自分のものさしを持つ大切さ」を改めて感じました。

 

スウェーデンの「お茶文化」

スウェーデン労働生産性が高い国としても知られていますが、友人曰く、「優秀な人で長時間働いている人はけっこういるよ」とのこと。けれども、日本のような無駄な残業や会議は少ないし、メリハリがあると言っていました(例えば、夏に連続して3週間の休みをとらなければならないんですって!)。

 

日本の会社で無駄なものとして挙げられるものの代表格が、職場の飲み会。お子さんが小さいご家庭なんかは、飲み会に参加すること自体、ハードルが高かったりするのではないでしょうか。「愚痴やウワサ話が大半で参加するだけ無駄」「職場時間外も上司や先輩に気を遣いたくない」という方もいらっしゃるのでは、と思います。とはいえ、飲み会がコミュニケーションを深める場であることも確か。

 

プライベートと仕事が明確なスウェーデン人にとって、コミュニケーションを深める機会は、「お茶」らしいのです。職場でも必ず皆がお茶とおやつを楽しむ時間があり、この「お茶」の時間を使って、業務上のコミュニケーションも活性化させているとのことなんです。いやぁ、おもしろい。飲み会だけがコミュニケーションをとる機会ではないんですね。会議などのフォーマルな場ではなく、インフォーマルな場で闊達な意見交換をすることがチームワークを活性化したり、個々人の暗黙知をチームで共有化にすることによい影響を与えるといった本を読んだことがありますが、きっとこの「お茶」の場がそのような機会になっているのではないかと考えます。

 

この労働生産性については、北欧企業の組織文化がわかる本が面白かったので、後日、また記事をアップしたいと思います。

 

スウェーデンにはキャバクラが無い

もう一点、おもしろいな、と思ったことは、スウェーデンにも性産業はあるようなのですが(ただし違法なので闇で)、「キャバクラはない」とのこと。以前日本で働いていた友人のご主人曰く、「キャバクラに行くくらいなら妻と話す方がよっぽどいい。」とおっしゃっていたところが実に興味深かったのです。キャバクラやスナックに行くくらいなら、妻や友人、同僚と話すというのがSwedish的な価値観なのだそう。また、キャバクラやスナックに通うことは感情的な浮気と見なされて、妻以外の女性と肉体関係を結ぶこと以上に離婚原因に繋がるとのこと。それだけ精神面でのパートナーとの繋がりを重視しているんだなぁと感心。

 

日本には「夫元気で留守がいい」という言葉がありますが、確かに結婚生活が長くなったり、子供が生まれたりすると夫婦関係は変わっていきます。お互い意識しないと夫婦二人の時間はつくれないし、いつの間にか夫婦の会話が業務連絡だけになってしまっていることもあるかと思うんです。けれど、友人曰くスウェーデン人は夫婦だけの時間も大切にしているとのこと。彼女の友人も、たとえ子育て中であっても、子供を信頼できる人に預けて、夫婦で食事に出かけたり、彼女の義理のお母さんも「夫婦二人で食事にでも行っておいで」とお子さんの面倒を見てくれることもあったと言います。

 

スウェーデンの人たちが豊かな人生を送るための要素の一つがお互いのパートナーであり、そのパートナーとの時間も大切にする様子がとても印象的でした。

 

以上、この1か月間、スウェーデン人の価値観を学んで印象的だったこと3選。

 

日本も変わってきたとはいえ、「女性が家事、育児をすべきもの」といった価値観は依然強く、たとえ家事・育児に関するタスクを夫婦間で分担している家庭であっても、何とか必死こいて自助努力で賄っているといった印象を受けています。しかし、スウェーデンの政策なんかを勉強していると、社会保障が手厚いスウェーデンは、子育て世帯へのフォローも社会でカバーしている印象が非常に強いです。

 

諸外国より遅れをとる日本の環境を私たちはただ嘆くだけかと言われると、そうでもないように感じていて、個人の考え方や、その国の価値観を学ぶことで何か切り開けることがあるのではないかと思うのです。

 

そして、そのヒントを得る機会が是非今度のトークセッションであればと思い、鋭意準備中です。

また是非こちらのブログでも裏話をお届けできたらと思います。

雑感〜ウクライナ侵攻について〜

連日ウクライナ関連のニュースから目を離せずにいます。プーチンはヤバいヤツだと思ってはいたけれど、現代社会において本当にこんな非人道的なことをするのかという驚きと怒りが拭えません。地政学的なリスク大の日本がこんなにも平和に暮らせていたのは、たまたま運が良かっただけなんだろうな、とすら感じます。多様性なんて言葉では納めきれない、民主主義国家とは全く異なる価値観をまざまざと見せつけられています。

 

ウクライナと遠く離れたロンドンで、ただ休戦を願っているだけでは何も変わらないので、些細なことでもできることをしようと侵攻が始まった日の週末、救援物資の寄付と募金をしてきました。一人ひとりの力は小さくとも集まれば大きなものになる。評論家になっているより、些細なことでも行動に移すほうがよほどよいはず…

そしてこんな時こそ街に出てみようと、ウクライナ大使館、ロシア大使館ダウニング街ウェストミンスタートラファルガー広場にも足を運びました。 ウクライナに関連する場所には、愛のあるメッセージがあり、様々な場所で怒りを露わにする老若男女が大勢集っていました。若い人も沢山参加していたし、小さい子供を連れた家族連れも多かったです。

 

ただ、ロシアの侵攻が長期化すると言われている中、当事者国だけでなく周辺国にも様々な影響が出てきているのは確か。ガソリンなんて信じられないような値上げ。自分達の生活にも痛みが出てきた時に、その局面ごとにいかにウクライナと共に闘う判断を世界がしていけるのかとも思うのです。

 

そして今この時も武器を持って戦うウクライナの人たち。この徹底抗戦の姿勢がなんて勇敢なんだと思う一方で、私たち日本人も同じような局面に立たされた時、こんなにも戦えるのだろうかとも感じます。しかしこの記事を見て腑に落ちました。戦わなければ待っているのは虐殺のみ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/30ffef7277b2ff74e538df503e03e1fc69ccd50c?fbclid=IwAR3kO2AWPdWk1FgAYVk-Xrv7Hj8h3lTiDBsAabL8VfE6h0c1xgC6XFROZkg

 

キエフの地下シェルターに避難していた慶大生のSNSにもキエフ陥落後のウクライナに待っているのはロシア人による虐殺、食糧供給の停止による飢餓を生み出すだろうと書かれていました。

https://www.facebook.com/profile.php?id=100011375086593

この投稿が出たときなんかは、「え、マジで?ロシアってそこまですんの?」と正直思ったのですが、いまや原子力発電所が占拠され、ロシア軍によってインフラ設備がストップしつつあるこの状況。ホロドモールやジェノサイドの事例について調べると、なぜウクライナの人たちが国のために血を流す選択をするのか、国を守らざるをえない背景があることを知りました。

 

決してきれいごとでは片付けられない問題にどんな道筋をつけていくのかー。

 

まさに今が歴史の転換の瞬間だという人も多くいます。歴史から何を学び、今起きていることについて何を考えるのか。そしてそれを踏まえてどう行動するのか。これはロシアとウクライナ、そして政治家だけの問題でなく、私たちにも迫られている問題なのでしょう。政治の世界に闇はあっても、政治を動かすものは民意。そしてSNSで民意がつくられるこの時代、関心を持ちそれを示すことは大切ではないかとも思うのです。

 

実は私が#playforUkrainaとハッシュタグをつけたインスタを見てかロシア語で「おまえを倒す」というメッセージが見知らぬ男性から届きました。私自身、投稿でロシアやプーチンを直接的に非難していないにもかかわらず。

けれど、思いました。そうか、これが現実なんだと。決してロシア人すべてが侵攻を支持しているわけではないし、ロシア人はプーチンと切り離して捉えていたけれど、もちろんロシアの情報統制などによって、プーチンとイコールの思想、価値観の人もいるんですよね…

 

プーチン、そしてプーチンを支持する人たちはどんなに話を尽くしてもわかりあえないかもしれない。けれど、これ以上の血が流れないこと、そして理不尽な理由で国の主権が奪われない方法を思考停止にならず考えていかなければと思います。

 

以上、最近の雑惑でした。まとまらずすみません。

 

自転車修理を依頼する

自転車修理してきました。

差し迫って点検、修理の必要がある方向けに結論を先に書くと カウンシルの無料点検に部品を持ち込んで直してもらいました。council名に"Dr bike" と入れて調べてみてくださいね。

 

 

今週頭、朝の急いでいる時に自転車のパンクが判明。こっちの自転車屋は行ったことがなければどこにあるかも知らないし、修理代の相場もわからない。「直しに行くの面倒くさいなぁ」と思っていた矢先、councilが月1、無料で自転車点検をしていることを昨日知る。それが今週末、しかも近所の公園で。グッドタイミングすぎる!これは行けっていうお告げだなと、行ってみたら人気なのかまぁまぁの列。


列に並んでいたらおじさんが話しかけてくれて「パンクしたんです」と話すと、「部品がないと直してもらえないから買っておいで。デカスロンにあるから」と教えてくれた。

タイヤのサイズを知らなかったけれど、ちゃんとタイヤに書いてあるんですね。「ここに書いてあるよ」と教えてくれたので、タイヤに書かれた数字を写真に撮っていざ。

 

デカスロンで「パンクを自分で修理したいんだけどタイヤある?(正確には自分で直すわけではない笑)」と尋ねると、販売員さんが探してくれて無事にゲット。

まぁまぁ大きなタイヤを肩にかけて意気揚々と戻ってきたら、おじさん、「え、タイヤ買ったの?!インナーチューブだよ!これこれ!」とタイヤの中のチューブを引っ張り出して見せてくれた。ま、まじか。また行くのかという面倒臭さと、的外れなものを買ってきた恥ずかしさで戸惑っていると"quickly!"とおじさん。おじさんの順番も迫っており、何よりおじさんの鍵を借りて自転車を停めていたので(こんな展開考えてなかったので家に鍵を置いてきてた)待たせるわけにはいかないので猛ダッシュ

 

息を切らせながら、インナーチューブのありかを聞いて、レジへ。レシートをもらっていなかったので交換がややこしいかなと心配したけど、購入日時を伝えて購入時のカードを出したら速やかに返品対応。ありがたい。

 

2往復ダッシュしたので、寒空なのに汗をかき、再度公園へ。

 

4、5人待って私の順番。

インナーチューブを渡すと、修理工のお兄さんがささっと直してくれた。タイヤも念のためチェック。10分もかからなかったかな。

 

結局、デカスロンで買ったインナーチューブ£2のみでパンク修理は完了!

めっちゃありがたい。

 

ロンドンの他のcouncilでも無料点検はやっているみたいなので、"Dr bike"と調べてみてください。部品持参で軽微な修理なら可能かと。デカスロンにもWorkshopと書かれたコーナーで修理対応しるような気配あり。問い合わせの価値ありです。