今こそポーランド旅行記
先日、スペイン旅行記を書きましたが、これはロンドン駐在2度目の海外旅行。初めての旅行は2021年秋のポーランドでした。ずっと旅行記をブログに書いていなかったけれど、ロシアのウクライナ侵攻で東欧が、いや世界が緊迫している中、今こそポーランド旅行記を書くべきときだと思い、この記事を書きます。
ポーランドと言っても私たちが行ったのはワルシャワではなく、クラクフ。というのは、アウシュビッツ強制収容所をどうしても見ておきたかったのです。アウシュビッツはワルシャワからだと少し遠いけれど、クラクフなら日帰り可能圏内。またクラクフはポーランドの旧都で見どころがあること、そしてアウシュビッツ以外にもヴィエレチカといった世界遺産がある点で、クラクフを選択しました。
以下、instagramのアウシュビッツ編で書いた内容を一部抜粋。
ヨーロッパに住んでいる間に行きたいと思っていたアウシュビッツ・ビルケナウ収容所。行きはクラクフから電車とバスを乗り継ぎ2時間弱、そして帰りは高速バスで1時間半の道のりでした。
人間がこうもむごいことができるのかという恐怖心がわき、収容所から眺める紅葉、空、星があまりに美しかったがゆえに余計に残酷さが増しました。
そして娘を抱っこしながら見た遺品、特に我が子と同じくらいの大きさの子供服を見てるとぐっとくるものがありました。
14歳以下は見学をおすすめしないと明記されている中で正直、6歳児と2歳児を連れて行っていいものか迷いました。
ここに来たことのある両親に、子供のトラウマにならないか事前に情報を聞いた上での出発でした。
6歳の息子は、説明をしない限り、展示が一体何なのかわからないので、ショックを与えすぎないようにフォローしながら回ることができました。
これは一昔前の時代の話ですが、今の国際問題のあれこれと根底の思想はあまり変わっていないようにも感じます。
この施設では人間の残酷な部分を見せつけられましたが、人の持つ愛や優しさを信じて、どう問題を解決していくか。この収容所から突きつけられた歴史から何を学ぶかという課題に、いつもの旅と違い、シリアスな気分で1日を終えました。
これ、10月に投稿した内容なのですが、まさかこの4か月後にポーランドの隣国、ウクライナでこんなにも残酷な出来事が起きるなんて思ってもいませんでした。ウクライナの西側、リビウという町からクラクフはたったの車で5、6時間の距離なんだそうです。私たちが訪れた町からそう遠くない場所で、今この瞬間も恐怖におびえ、悲しみのなかにいる人たちがいる。軍人のみならず民間人にも攻撃を加えるなんてあまりに惨い。歴史は繰り返される、まさに自分の投稿を読み返しながらそう感じました。
その点で、やはり歴史を学ぶことはすごく大事だと思うのです。アウシュビッツ以外にもクラクフにはユダヤ人街があり、第二次世界大戦中、多くのユダヤ人がナチスの侵攻で残酷な目に遭いました。シンドラーの琺瑯工場がこれらの歴史を学ぶ施設になっていて、理解を深めることができます。
帯同で住んだ広島で、平和を次の世代へ紡ごうとする沢山の人たちの声を聞くなかで、悲しみは風化すること、そして平和は人々の努力で築かれるものだからこそ、まずは無関心にならないことが大切だと学びました。
そのような点でポーランドは学びが多い観光素材があることは間違いありません。
ちなみに、旅行記詳細はInstagramをご参照ください。(結局、ブログに書かんのかい 笑!)
■旧市街
https://www.instagram.com/p/CVgsl0loEoL/?utm_source=ig_web_copy_link
■ユダヤ人街
https://www.instagram.com/p/CVg1a3rIPus/?utm_source=ig_web_copy_link
■ヴィエレチカ
https://www.instagram.com/p/CViPPtiI6ix/?utm_source=ig_web_copy_link
https://www.instagram.com/p/CVjBff_ox03/?utm_source=ig_web_copy_link
クラス担任に英文法の教え方を聞く
今日は息子の担任の先生との面談でした。オンラインで10分間。
日頃の息子の学習への取り組み方、また学力について先生がフィードバックしてくれました。ママ友たちは「イギリスの先生はとにかく褒めてくれるから!」と口をそろえてみんな言っていたけど、本当に10分間、褒めっぱなし!
日頃、よくない行動をとるとマインダーというものを先生から貰い、一定数集まると校長先生に呼び出しを食らう仕組みがあるらしく、息子からは、それなりにマインダーを貰っている旨、聞いていたのですが、そんな話題は一切出ず、
「積極的に勉強に取り組んでいて、意欲的に自分のことを表現しようとしている!
学力も伸びって行ってるから心配しなくていいわよ!」
とのこと。
噂通りの褒めちぎり。確かに、先生から我が子が学校で頑張っている様子を沢山聞かされると子供に対しても、「もっと○○しないとダメでしょ」なんて注意する気も起こらず、ねぎらいの言葉しか出ないものですね。こういった親の言動も見通しての褒めちぎりなのでしょうか…いずれにせよ、子供のよいところを沢山見つけてくださる様子はとてもありがたいです。
それはそうと、こちらからも先生に質問。Year2の英文法の宿題、なかなか教えるのが大変なんです。例えば形容詞、副詞の違いとかやるんですが、日本でいったら幼稚園の年長の子供に噛み砕いて教えるってむっちゃ難しい。「どう教えたらいいかアドバイスがほしい」と先生に尋ねたところ、「今日学校で起きたことなど何でもいいから1日1文、Writingを通じて文章の構造を教えるのが良い方法だよ」と教えてくれました。
早速、息子とやってみましたが、いざ添削をしてみると自分自身、文法の知識が随分あやふやになっていることが判明。いい加減な英語でも日々の生活では通じてしまうので、私もこれを機に文法書片手に学び直しです…^^;
息子の学校での様子は先生からのフィードバックが全てではないとはいえ、本人も楽しく通っているのでとりあえずは一安心。
余談ですが、このオンライン面談、非常に効率的。スケジュール調整もITツールを活用していました。息子が通っていた日本の幼稚園では、面談日時の希望を保護者が紙に書いて提出して、先生が集約&調整して、そしてまた決定した日時を紙に書いて返却してくれていました。それを思い出すと、幼稚園の先生面倒臭かっただろうな。日本の多くの教育現場でもIT化がもっと進めばいいのに。
イギリスで親戚の訃報を聞く
タイトルの通り。日本時間の夜中にやたら父からのLINEの不在着信があると思ったら叔母が老衰で亡くなったとの訃報でした。
渡英直前、一時期危篤状態となったもののなんとか持ち堪え、そこから1年弱生きた叔母。近所だったからよく家に遊びに来ていて、幼い時から可愛がってくれた叔母でした。
具合が悪くなった時は既にコロナ禍だったから病院に会いに行くことすらできませんでした。最後会ったのは4、5年前になるのかな。
実は2年前、コロナパンデミックの直後、ちょうど志村けんがあの世に行った同じ日に最愛の祖母も亡くしました。コロナで会えない期間はあったものの、危篤の知らせ後、数日は面会が許された&パンデミック直前はひ孫の顔を見せに頻繁に見舞いに行ってたからとても悲しかったけど、当時やれることはやったという思いでした。
けれど、今回は、最後会いたかったなぁ…という思いも。
海外で暮らすってこういうことなんだな。訃報を聞いても正直実感がわかない…
そしてたとえどこに住んでいても
会いたい人には会えるときに多少無理してでも会う
「いつかまた」は無いかもしれない
ということを改めて感じました。
そして
「ありがとう」は相手が生きているとき、そして意識がちゃんとあるときに言わないと伝わらない。
今、目の前の相手と楽しい時間を過ごさないと次はもう無いかもしれない。そう思うと些細なことで不貞腐れていては勿体ない。
さよなら は突然来てしまう。
ということも再確認。
実家の両親、特に父親は高齢。ポリープができて来月手術なんて話してるし何かと心配。
なんとか帰国まで、そして私が父の事業を引き継ぐまでなんとか健康でいてくれますように。(こっちでもやれること、ちゃんとやらないとな)
スペイン旅行記
息子のハーフタームを利用して、スペインのマドリードへ。
旅の目的は、家族で世界を広げること。
なので、なるべくイギリスと異なる宗教、自然に触れられる場所を選択。またフライトが2時間半、入国時のPCR検査も不要ということもあり、スペインを選びました。(あと何と言ってもおいしい料理!)
子供連れだとガウディも海も楽しめるバルセロナも候補にあがるところですが、こちらは実は駐在前、息子3歳のときにはるばる日本から旅したこともあり、今回はマドリードへ。
足を伸ばして日帰りで世界遺産の都市、コルドバ、トレドにも行ってきました。
◉宗教
実は今回訪れた3都市とも大学時代に訪れたものの、20歳の時に訪れた時から随分感じ方が異なりました。
特にコルドバ、トレドは2ヶ所ともキリスト教、イスラム教、ユダヤ教が共存する町。
旧市街の風景は中世までタイムスリップしたようで、同じ欧州とはいえ、建築も道の細さも壁の色もイギリスとは全く異なる景色。イスラム教とキリスト教が融合したメスキータはじめ、それぞれの宗教が混ざり合った街並み、建物は必見。為政者によってそれぞれの宗教の扱い方は異なったようですが、一神教同士がこんなに溶け合った町があるんだなぁと感じさせられるとともに、これらの町がどんな歴史を辿ったのか、スペイン史や一神教について興味がわきました。
余談にはなりますが、日本人は宗教観がないとよく言われますが、確かに私も宗教についてあまり深く考えたことはありません。ただ、イギリスに住んでみると、それぞれの宗教の教えに沿った生活を送っている人たちは沢山いるし、フランス人の友人なんかはカトリックの家庭に育ちながらも自ら選んでイスラム教に改宗したと話していたし、身近な友人を理解する上でも、それぞれの宗教を知る必要性を感じます。きっとこれから益々ボーダレスな世界を生きる子供たちにとってはなおのこと。2歳娘は今回、沢山教会やシナゴークを回ったことで自分から「教会行きたい」と言うようにも。どんな意図を持って旅するかは大事だなぁと思いました。
◉自然
宗教、文化はもちろんですが、自然もイギリスとは全く異なる景色。ヨーロッパって広いなぁ~。コルドバに行くAVEやAVANTの車窓から眺める、一面の荒野にオリーブやアーモンドの木。そして冬なのに眩しく輝く強い太陽(日照不足でビタミンDのサプリを摂るように言われるイギリスとは大違い)。
そして手が乾燥して空気さえも違いました。夏のスペインは気温が上がりすぎると聞いたことがありますが、意外に冬はおススメなのかもしれません。寒暖差こそありましたが、日が照っている間はコート不要でした。
◉食べ物
食事は初日、まずくて高いパエリアに遭遇したことを除いては、どこも美味しくて生ハム、トルティーヤ、ガスパチョ何度食べたことか。オレンジジュースは生搾りを出してくれるお店多し。駅ナカのコンビニやテイクアウトのお店にも生搾りのオレンジジュースをペットボトル入りにして売っていました。サングリアを初日に飲んだら疲れとアルコール耐性がもともと下がっていたことで、酔っぱらい、使い物にならなかった自覚と反省から、その後ずっとオレンジジュースを飲んでいました。そして地元客が行く飲食店を選んだからか英語が意外に通じない。皆、スペイン語で話しかけてくれるし、「オレンジジュース」さえも通じないので、いくつか単語、覚えられました。息子も学校で習ったスペイン語での自己紹介に挑戦して通じてたけど、自信になったかな。
◉人
スペインで理不尽なことには感情をむき出しにしてまで抗議する人たち、友人、恋人と熱くハグして抱擁を交わす人たちを見れたことも面白かったです。スペインの人たち、気さくだし、子供にも「オラ!」と声をかけてかわいがってはくれたけど、イギリス人ほどの優しさやフレンドリーさは感じず。あれはイギリスの特徴なんだな。あと入国規制は緩いですが、マスクに対する意識はイギリスよりはるかに高く、電車に乗ってもマスクをしているし(イギリスは乗客1/3くらいははずしてるかな…)、外で歩いてる人もマスクをしている人は多かったです(イギリスはほとんどマスクしてない…)。私も日本にいるときは「マスクしないなんてありえない!」と思っていたけど、何度も「鼻までマスクを覆え!」と怒られたので、随分イギリスに馴染んできてるんだなと思いました(笑)。
今回の旅も夫多忙につき、コツコツ情報収集、プランニング、予約を自分でやって、面倒臭さはありましたが、やっぱり得られるものは大きかったです。
旅の詳細は、インスタにUPしていこうと思うので、もしご興味あればご覧ください。
yuko(@uko_uk) • Instagram写真と動画
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
教育制度と子供の勉強意欲の関係性
イギリスでは毎年5月にYear2・Year6の生徒を対象にSATSという統一テストが実施される。日本人のママ友からこの話は聞いていたが、学校ごとに成績が公表されるので、息子が通う学校も、SATSの対象学年のクラスにはいい先生がつくという噂だ。確かにYear2の息子の担任の先生もベテランで周りからも評判の先生だ。
他の学年のことは知らないが、Year1のときは音読くらいしか宿題は出ていなかったのに、Year2になってからは音読に加えて、読解力や文法に関するプリントや問題集、また算数の宿題が毎日コンスタントに出ている。これは学校のSATS対策なのだろうか。
今日、フランス人のママ友に「春休みはフランスに帰るの?」と尋ねると、意外な答えが返ってきた。帰る予定はしているけれど、同じくSATS対象学年のYear6の娘さんの試験が迫っているので、一時帰国を迷っているとのこと。まだ4か月もあるのに勉強に励んでいて、第二言語として英語を学んでいるので苦戦しながら取り組んでいるのだそう。そしてすごくセンシティブになっているとのことだった。
え、なんで…
と衝撃を受けた。確か、そのお子さんは地元の公立のセカンダリースクールに通うので受験はしないはず。何か月も前から対策しないといけないほど、そんなにSATSって大事なん??といった感想を抱いた。
そのママ友によるとフランスにも大学受験の際に日本の大学センター試験(今は「共通テスト」と言うんですっけ?)に該当するテストがあるようなのだが、それくらいSATSは重要なテストなんだと言っていた。
ほんま?!
私のリスニング力がそこまで高くはないので、間違っているのかな、と思ったけれど「とにかく重要なテストだ」と何度も話していた。
確かに学校にとっては大切な試験だという認識はあった。けれど、生徒個人に対してもそこまで重要なテストなんだろうか?謎。
ただ、一つ気になったのは、フランスの教育は厳しくて、彼女の子供達が通っていた学校では点数の良し悪しで先生の対応が変わるということ、またテストの順位を貼り出されること、そして点数の悪い子供は先生に叱られることもあり、点数の良い子供は褒められて伸びていくけれど、点数が悪いと、どんどん自己肯定感も下がってしまい負のスパイラルに落ちていくと彼女が話していたことを思い出した。そのため、常に彼女のお子さんはテストに対して神経質になっていてテストが子供にとって精神的な負担になっていると話していた。
もしかしたら試験一つにしても国によって捉え方が違うのかなぁと思うと興味深い。日本人もまじめなので試験勉強はがんばってする人が多いんだろうし、私も定期試験はそれなりにまじめに取り組んだけど、それでもセンシティブになるほどではなかった。あくまでサンプル数1なので何とも言えないけど、彼女のお子さんがそこまで必死に試験対策をしているのは、フランスの教育の中で、好奇心とか達成感とかそういった内発的動機というより、賞罰などといった外発的動機によって勉強に一生懸命取り組んでいると言うことなんだろうか。もしそうであれば、とっても強烈だったのだろうと思う。
国が違うと制度も違う。制度が違うと物の見方や捉え方も変わってくる。
各国の教育制度と子供の勉強への取り組み方の関係性は是非これからも追いかけてみたいところ。
考・夫の在宅勤務
先週まで在宅勤務だった夫は、今週から週2日以上の出社が必須になった。
会社まで片道1時間弱かかるので夫は在宅勤務をメインにしている。今日は妻の目線で夫の在宅勤務について書いてみたいと思う。
正直、はじめはできれば出社してほしいとは思っていた。というのも子供が夫の部屋にちょこちょこ入る&子供の声で気が散るようなので、仕事の邪魔にならないようにとほぼ毎日外出をしていた(なので去年までinstagramの更新回数が頻回だった 笑)。
周りのママ友の意見も
・旦那さんのゴハンを作るのが面倒
・旦那さんに自分の外出を事細かく把握されてしまう
などの理由で長期の旦那さんの在宅勤務を嫌がる人はそれなりにいる。
が、2歳娘に手がかかる今、夫の在宅はなんともありがたい。イギリスは子供を一人にすることが法律で罰せられているので、毎日の息子の学校の送り迎えは必須。イヤイヤ期の娘を連れて、途中、抱っこしろだの、息子のスクーターを自分も乗りたいだの、毎日普通に歩いていても片道20分程度かかる道のりを、娘のイヤイヤに付き合いながら、体重十数キロの娘を抱っこして息子を送迎するのはもう大変。夫の在宅時、娘を家に置いて送迎に行けるのは本当に助かっている。
あわせて、在宅勤務になってから、家事分担の割合が大きく変わったのは事実。身内が遠く離れているから、本当にピンチの時には友達にヘルプを出して頼ることになるんだと思う。けれど日々の些細なことまではさすがに友達に頼りにくい。家事代行、ベビーシッターもなかなかの料金で、頼まなければ生活が回らないような状況ならまだしも、さすがに今の状況で日常使いはしにくい。
そういえば以前ご夫婦共に多忙な弁護士で二児の子供を育てるイギリス人の友人は、旦那さんが週1、在宅勤務をしてくれるので、それだけでも助かっていると話していた。
2/7付の日経新聞の朝刊に家事の男女の不均衡がコロナ禍で世界的に大きくなったという特集が組まれていた。国連の20年11月のレポートによると計38か国・地域の調査で「家事などに費やす時間が増えた」との回答は女性が60%と男性の54%に比べ多かったとのこと。日本でも21年秋の内閣府の調査で家事・育児の時間が増えた割合は女性が44%で男性の38%を上回ったらしい。
しかし、東京大学の山口慎太郎教授らの研究によると、在宅勤務が週1回増えると男性の家事・育児にかける時間が6.2%、家族と過ごす時間が5.6%増えたというデータもあるとのこと。まさに我が家はそれ。何故、在宅勤務で我が家の家事・育児分担が進んだのかを考えると、もともと夫は一人暮らし生活が長かったこともあり、家事スキルが無いわけではないというのは前提にはある。
しかし、子供が泣いたり、兄弟げんかをしている声が聞こえたり、私が手を取られて、家事が進まないと、夫がやらざるをえないという状況もあるのだと思う。別部屋とはいえ、その現場に夫が居合わせていることが大きいのかもしれない。それでも世のご主人のなかには自分は仕事に集中したいから、そんな状況なら家を出るとか、なかには家事をするどころか妻側に文句を言うご家庭もあるのかもしれない。ちなみに夫に言わせれば、家事は仕事と違い淡々と進めれば成果が得られるので、苦にならないのだと言う。それと我が家は私があまりに子供に手を取られて家事が進まないと爆発して手の付けようがない程、荒れるので、家事をやってくれるのはそこに対する夫なりの予防線なのかもしれない…(苦笑)言い換えれば、家事・育児分担が妻側に偏っている場合、妻のストレス、困っていることなどをきっちり伝えることが大切ということなのかのかもしれない(決して私は爆発前に伝えているわけではなく、ブチギレることで初めて夫に伝えているので改善・反省の余地あり)
確かに夫の仕事の邪魔をしている子供たちの様子を見ていると、「あー自分が家を出ていかないと行けないのかなぁ」とプレッシャーは感じる。けれど、帰国後は、長らくの休職期間を経て本格的に仕事を再開させることを考えたら、この在宅勤務で我が家の家事・育児の分担が進んだことは大きな成果ではないのだろうか。
女性の社会進出促進と言われ出して久しいが、それには女性だけでなく男性も在宅勤務も選べる体制にしていくことが必要だと私は思う。また女性活躍以外の視点においても核家族化しているなかで、勤務体系にフレキシビリティーがあることで育児、介護、病気の看病etc ライフステージで様々な変化が起きた時に対応しやすいと感じる。
さて、皆さんのご家庭はいかがでしょうか?
違和感残る乳幼児健診
日本でも定期的に乳幼児健診にあるようにイギリスでも同様のものがある。このたび2歳の娘に「27か月の発育を見たい」という内容のSMSが携帯に送られてきたのが今週はじめ。ふむふむ、よく見ると同じ週の金曜日が面談の日だと言う。マジか…というか、この国では息子の学校行事にしろ突然通告されることがとても多い気がする。息子の入学の際は翌日面談したいと言われたり。1週間前に保護者参加の行事のため予定を調整してほしいと言われたり、はじめは驚いたが最近はそれにも慣れ、今回もそれほど驚きはしなかった。
SMSには何やら健診の面談の時間調整のために電話をしろとのこと。電話をすると、Teamsで面談を行うのだと言う。ちなみに対面も可。娘を連れて行くのが面倒なので迷わずTeamsで行うことにした。
驚いたのが、その効率性。面談日までに数十項目ある発育チェックリストが自宅に郵送され、親がテスト&チェックして面談に臨むようにとのこと。確かにオンラインだから、集団検診と違って確保しなければならないスタッフの人数も抑えられるし、運営面ではかなり効率的だよなぁと日本で受けた集団検診を思い出して比べていた。ちなみにこのチェックリスト、郵送されてきたのがSMSの到着と同じ今週はじめ。気が散りやすく、イヤイヤ期真っただ中の2歳娘に数十項目のテストを短期間でやるというのはややしんどかった…(日本だったらちゃんと余裕をもったスケジュールで依頼されるのになぁ、と。)
そして面談当日。事前のチェックリストをもとに結果を伝え、保健師さんが画面越しに結果を記録。加えて、食事の状況や親の就労状況、飲酒の有無等々、色々質問された。特に回答内容に問題はなかったらしく「社会性をつけるためにplaygroupでもっと遊んだほうがいいわよ」というアドバイスと「pharmacyに2歳児も飲めるビタミンDのサプリがあるから積極的にこの国では摂ってね」というアドバイスを頂いて、20分強で終了した。
受けてみて、「うー----ん」と思った。
日本のように集団検診で会場にかなりの人数が集められて、待ち時間もめちゃくちゃあって、2、3時間子供と拘束されるのもいかがなものかと思うし、この形態だと親もスタッフも時間のロスが無くて効率的なんだけど、果たして効果はあるのだろうかと思ってしまった。
乳幼児検診って何より保健師さんが直接子供を様々な角度から見ることに意味があると思う。娘もはじめの2、3分画面に登場したけど、親がやったチェックリストと画面越しの子供の状態だけで得られる情報なんてごくごくしれている。チェックリストも親の自己申告だし。乳幼児健診ってネグレクトや虐待を未然に防ぐ効果もあるはずだけど、これだと気付けないよな、と思ってしまった。
会社員時代、「ディズニーの神様シリーズ」の本を書かれている鎌田洋先生と一緒にお仕事をさせていただく機会があり、ディズニーが大切にしている価値観にSCSE(Safety, Courtesy, Show, Efficiency)というものがあること、そしてEfficiencyは効率ではあるけれども、効果を著しく下げる効率化は意味がないということをおっしゃっていた。あぁ、この乳幼児健診もそうかも…とふと思ってしまった。
渡英前、日本で最後に受けた乳幼児健診は、我が自治体はコロナ禍で集団形式はとられず、かかりつけの小児科で健診を受けると言う内容だった。このコロナ禍でパンクしかねない医療機関に委ねるのも、小児科医の理解ありきの思い切った判断だったと思うけど、ちゃんと健診の意味はなしていたと思う。
効果と効率。改めて考えさせられた出来事だった。
ちなみに鎌田先生の本はこちら。
またSESCはオリエンタルランドのHPにも掲載。10年近く前はSCSEだった記憶があるけど、今はInclusion(インクルージョン)も入っている。時代。
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