Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

違和感残る乳幼児健診

日本でも定期的に乳幼児健診にあるようにイギリスでも同様のものがある。このたび2歳の娘に「27か月の発育を見たい」という内容のSMSが携帯に送られてきたのが今週はじめ。ふむふむ、よく見ると同じ週の金曜日が面談の日だと言う。マジか…というか、この国では息子の学校行事にしろ突然通告されることがとても多い気がする。息子の入学の際は翌日面談したいと言われたり。1週間前に保護者参加の行事のため予定を調整してほしいと言われたり、はじめは驚いたが最近はそれにも慣れ、今回もそれほど驚きはしなかった。

 

SMSには何やら健診の面談の時間調整のために電話をしろとのこと。電話をすると、Teamsで面談を行うのだと言う。ちなみに対面も可。娘を連れて行くのが面倒なので迷わずTeamsで行うことにした。

 

驚いたのが、その効率性。面談日までに数十項目ある発育チェックリストが自宅に郵送され、親がテスト&チェックして面談に臨むようにとのこと。確かにオンラインだから、集団検診と違って確保しなければならないスタッフの人数も抑えられるし、運営面ではかなり効率的だよなぁと日本で受けた集団検診を思い出して比べていた。ちなみにこのチェックリスト、郵送されてきたのがSMSの到着と同じ今週はじめ。気が散りやすく、イヤイヤ期真っただ中の2歳娘に数十項目のテストを短期間でやるというのはややしんどかった…(日本だったらちゃんと余裕をもったスケジュールで依頼されるのになぁ、と。)

 

そして面談当日。事前のチェックリストをもとに結果を伝え、保健師さんが画面越しに結果を記録。加えて、食事の状況や親の就労状況、飲酒の有無等々、色々質問された。特に回答内容に問題はなかったらしく「社会性をつけるためにplaygroupでもっと遊んだほうがいいわよ」というアドバイスと「pharmacyに2歳児も飲めるビタミンDのサプリがあるから積極的にこの国では摂ってね」というアドバイスを頂いて、20分強で終了した。

 

受けてみて、「うー----ん」と思った。

 

日本のように集団検診で会場にかなりの人数が集められて、待ち時間もめちゃくちゃあって、2、3時間子供と拘束されるのもいかがなものかと思うし、この形態だと親もスタッフも時間のロスが無くて効率的なんだけど、果たして効果はあるのだろうかと思ってしまった。

 

乳幼児検診って何より保健師さんが直接子供を様々な角度から見ることに意味があると思う。娘もはじめの2、3分画面に登場したけど、親がやったチェックリストと画面越しの子供の状態だけで得られる情報なんてごくごくしれている。チェックリストも親の自己申告だし。乳幼児健診ってネグレクトや虐待を未然に防ぐ効果もあるはずだけど、これだと気付けないよな、と思ってしまった。

 

会社員時代、「ディズニーの神様シリーズ」の本を書かれている鎌田洋先生と一緒にお仕事をさせていただく機会があり、ディズニーが大切にしている価値観にSCSE(Safety, Courtesy, Show, Efficiency)というものがあること、そしてEfficiencyは効率ではあるけれども、効果を著しく下げる効率化は意味がないということをおっしゃっていた。あぁ、この乳幼児健診もそうかも…とふと思ってしまった。

 

渡英前、日本で最後に受けた乳幼児健診は、我が自治体はコロナ禍で集団形式はとられず、かかりつけの小児科で健診を受けると言う内容だった。このコロナ禍でパンクしかねない医療機関に委ねるのも、小児科医の理解ありきの思い切った判断だったと思うけど、ちゃんと健診の意味はなしていたと思う。

 

効果と効率。改めて考えさせられた出来事だった。

 

ちなみに鎌田先生の本はこちら。

またSESCはオリエンタルランドのHPにも掲載。10年近く前はSCSEだった記憶があるけど、今はInclusion(インクルージョン)も入っている。時代。

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