Last Vacation~London life with kids~

コロナ禍の2021.4~2023.1まで一家でロンドンに住んでいました。現地校に通っていた6歳児と1歳児とのロンドン生活と欧州旅行の記録。帰国後noteも始めました。https://note.com/yukolife_2015

多様性を認めながら一体感を醸成するということ

今回は、ではそれぞれが異なるバックグラウンドを持っている生徒たちが
どのように一体感を生み出しているのかを書きたいと思います。
 
 
その前に、まずイギリスの移民政策についてざっくりふれておきます。
 
いまやロンドンでは、白人イギリス人は半数程度しかいないと言われています。
同じ島国とはいえ、イギリスの移民の歴史は戦前からすでに始まっており
移民の受け入れ数もはるかに多いので、紆余曲折を経て今に至っています。
 
かつては多文化主義という政策をとり、
それぞれの文化を認めるスタンスをとっていましたが、
やがて個々の民族でコミュニティを形成、
そしてそれらのコミュニティは互いに交わることなく分断。
 
またwhite flightという言葉があるように、
地域に移民が増えることで
もともと住んでいたイギリス人がそこから離れ、
別の地域に移ってしまうといったことも発生してきたのだそうです。
 
これらの結果として、暴動やテロが発生し、
2000年代以降、多文化を認めるだけの政策を見直し、
共同体としての一体感を醸成しようとするスタンスがとられるようになったのだそうです。
 
 
確かに、言われてみれば息子の学校にもビジョンやバリューがあり
これらは、「イギリスが大切にする価値観をもとにしている」と書かれていました。
日本では、そもそも「日本人が大切にする価値観」なんて国民全体で共有されていないので
「イギリスが大切にする価値観」といったものがオーソライズされていることに驚きました。
 
そして、学校のビジョンやバリューは
学校のHP、学校配布のノートなどに様々なところに明記されていて
バリューに関しては歌までがあります。
 
特に、ビジョンを実現するための具体的な行動のベースを示すバリューについては
非常に大切にされています。
3つのバリューがあり、毎週、各クラスでそれぞれのバリューに則って行動した生徒が
校長先生から賞をもらえるといった取り組みがあります。
 
また学年、クラスをまたいで、生徒が4つのグループに分けられており
よい行動をした生徒が所属するグループには、ポイントが与えられ、
そのポイントで、グループごとに競いあうといった取り組みもされています。
タームごとに勝ったグループにはごほうび(チョコレートフォンデュだったそう!)が
あるので、息子は一生懸命、ポイントを得られるようにと頑張っていました。
 
イギリスの移民政策の歴史を改めて調べてみると
なぜこのようにビジョンであったり、バリューに重きを置いているのかということに
納得をしました。
 
特にイギリスにルーツを持たない生徒が大半で
移民として入学する子供も多く、宗教も異なるので、
それぞれのバックグラウンドは様々です。
しかしその違いは尊重しながらも、
学校として大切な考え方を明らかにし、それらの実践に重きを置くことで
学校全体の一体感を醸成しているのでしょう。
 
 
息子曰く、学校では日本人とももちろん遊ぶようですが、
日本人以外の子供たちとも一緒になって
ゾンビごっこやサッカーなど楽しんでいるようです。
「日本人だけでかたまっているのかな?」と気になってはいましたが、
今日も帰り道、現地の友達と心から楽しそうに話をしながら歩いていた息子の姿を見て
これも、このような学校の取り組みのおかげなのかもしれないと感じたのでした。
 
 

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